2012年02月14日

「仏陀の鏡への道」ドン ウィンズロウ を読んで

 探偵ニール君中国美女に惚れる
仏陀の鏡への道 (創元推理文庫) [文庫] / ドン ウィンズロウ (著); Don Winslow (原著); 東江 一紀 (翻訳); 東京創元社 (刊)
仏陀の鏡への道 (創元推理文庫) [文庫] / ドン ウィンズロウ (著); Don Wins...


あらすじ
 英国で隠遁生活をしているニールのもとに、養父のジョー・グレアムが訪れた。
 鶏糞から強力な成長促進エキスを作り出した生物学者が、中国美女に心を奪われ新製品完成を前に長期休暇を取った。彼をカリフォルニアから会社に連れ戻してほしい。と任務をうけたニール、だが。ニールはその中国美女リ・ランに心奪われ、取り逃がし、後を追って香港へ飛ぶ。そして陰謀の渦に巻き込まれ中国の山奥へ。

はじめの一行
 断じて、ドアを開けるべきでなかった。

感想
 タイトルがかっこいい。
 「ストリート・キッズ」の第2弾。冒険青春スパイ活劇調。

 今回は、中国美女に心奪われ事件の深みにはまっていく探偵のニール。

 原書は1992年の作品らしいけど、文化大革命後の政治背景の中国を舞台に、いずれおこるだろう中国の食糧自給問題が事件の軸。よくありがちな欧米主観の政治思想が入り込んでいないのがいい。そこにあるのは、国家や政治思想を超えた人の友情である。

 国家や政治や中国マフィアがらみで話のスケールがやたらでかい。おかげで、ニールは二転三転と上下左右にふりまわされぱなし。(読者も)

 艱難辛苦を舐めつつ成長していくニール君がすがすがしい。

 話のラストに絡んでくる「ハックルベリー・フィンの冒険」を読まなければ。

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2012年02月12日

「秘密」東野 圭吾 を読んで

 娘の身体を乗っ取った妻
秘密 (文春文庫) [文庫] / 東野 圭吾 (著); 文藝春秋 (刊)
秘密 (文春文庫) [文庫] / 東野 圭吾 (著); 文藝春秋 (刊)


あらすじ
 妻と小学五年生の娘を乗せたスキーバスが崖から転落した。妻の葬儀の夜、意識を取り戻した娘の体に宿っていたのは、死んだ筈の妻だった。妻の心を持つ娘との生活とは。


はじめの一行
 予感めいたものなど、何ひとつなかった。


感想
 先がきになりさくさく一気。

 ドタバタコメディみたいな設定なのにわりとシリアスな展開。

 ラストの山下公園での妻直子の演技結末で、あらら?直子ってこんな性格設定の人物だったの?とひっくり返ってしまった。いくら死んだ娘を演じようとしても、11歳から先の娘の見本はないわけで、ただ想像上の架空人物を直子は延々と演じてたわけで、それは娘藻奈美でも妻直子でもなく、ただのしたたかな若作りおばちゃん。
平介より、何も知らないで結婚する文也の方が不幸かも。

 藻奈美しか知らない記憶がふと甦えり…とかいう結末を期待したのだが。


 平介を平助と書けば「助平」の逆である、てことで、やりたいけど出来ない男の性的葛藤部分を書きたかった作品なんだろうと思う。


 読めるけど、着地のひねり技で足をくじいたような読後感。
 

荒井由美 翳りゆく部屋  


どんな運命が愛を遠ざけたの

輝きはもどらない 

私がいま死んでも
 

タグ:東野圭吾
posted by kado at 13:51| Comment(0) | TrackBack(0) | ミステリー(日本) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月06日

「おそれずにたちむかえ テースト・オブ・苦虫5」町田 康 を読んで

 立ち向かってはみたものの
おそれずにたちむかえ - テースト・オブ・苦虫5 (中公文庫) [文庫] / 町田 康 (著); 中央公論新社 (刊)
おそれずにたちむかえ - テースト・オブ・苦虫5 (中公文庫) [文庫] / 町田 康 (著)...

はじめの一行
 やってみたら百難千苦だったよ

 唐突で申し訳ないがやはりマンネリというのはよろしくないと思う。
 マンネリ。マンネリズム、型にはまった思考。新鮮味のないアイディア。繰り返しのパターン。

感想
 へんてこ思いつきを転がしてふくらませ、実践したら?て類いのエッセイ集。虚実混合で笑える。

 「パンク侍、斬られて候」が面白かったので、その勢いで「告白」を読もうと購入したのはいいがその分厚さに躊躇し、エッセイで余熱のお茶を濁した。1〜4巻は未読。

 思考伝染系。









 
タグ:町田康
posted by kado at 17:01| Comment(0) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする